現在、日本は医療の発達で平均寿命が飛躍的に伸び、世界でも有数の長寿国と言われています。
実際にWHOが発表した2020年版世界長寿ランキングでは世界の平均寿命が72歳とされる中で、平均寿命が84.2歳の日本が1位となりました。
それだけ長寿の方が多い日本ですが、寿命が伸びるとどうしてもついてくるのが「老化」です。
年齢とともに、体力が低下したと感じることが増え、身体に痛みが出る場合もあります。
中でも多いのが腰痛ですが、足やお尻にしびれが出たり、しびれの影響で長く歩行できないなどの弊害がある場合、その腰痛は椎間板ヘルニアによるものかもしれません。
この記事では椎間板ヘルニアの原因や症状、また予防法について解説していきます。
椎間板ヘルニアの原因
椎間板は背骨の骨と骨の間にあるクッションのような役割を担っている部分で、その中央に線維輪に包まれた髄核と呼ばれるゼラチン状の組織が存在し、なんらかの衝撃により椎間板内の髄核が線維輪を突き破り、飛び出してしまうことを椎間板ヘルニアと呼びます。
若い世代でも重たい荷物を持ったり、猫背などの悪い姿勢を取り続けることによって発症することがありますが、加齢による椎間板の老化で椎間板内の水分が減少し、クッションとしての役割が弱くなったために外部からの衝撃に耐えられずヘルニアを発症しやすくなる傾向があります。
椎間板は身体の中で最も早く老化が始まる組織の一つでもあり、老化はなんと10代後半から始まるとも言われています。一度老化が始まってしまうと椎間板は元の状態に戻ることはありません。
椎間板ヘルニアの症状
椎間板ヘルニアを発症すると飛び出した髄核が周囲の神経を圧迫し腰痛やお尻や腰回り、足などにしびれやむくみを引き起こします。
横向きに寝たり、膝を抱えたりすると痛みは軽減されますが、寝返りをうつのが辛かったり、椅子に座る際や前屈みになった際などに痛みが強くなる傾向にあり、それ以外にも足に力が入れづらくなりつまづきやすくなる、尿が出にくい、便秘がちになるといった症状が出ることもあります。
中には椎間板ヘルニアを発症していても痛みが生じず、気が付かずに生活を送っている方もいるので、椎間板ヘルニアによって必ず痛みやしびれなどの症状がでるとは限りません。
椎間板ヘルニアの予防
日常生活を送る上で椎間板ヘルニアを発症しないように予防していくことが重要です。
加齢とともに椎間板が少しずつ変形し働きが弱まってしまうことはある程度仕方のないことですが、腰への負担を減らすために体重を適切にコントロールし、重いものを持つときは腰だけで頑張らず膝を使って持ち上げる、長時間立つ座るなどの同じ姿勢でいることを避けるなどを心がけましょう。
適度なストレッチや運動を習慣化し、腰への負担を軽減するのに役立つ腹筋や背筋を鍛えることも結果として身体を正しい姿勢へと導くことになるので、腰への負担が軽減されます。
また、喫煙によるニコチンは血行を悪くし、椎間板の老化を早めてしまうため禁煙した方が良いでしょう。
まとめ
若年層にも見られる椎間板ヘルニアですが、加齢とともに椎間板も老化し、椎間板ヘルニアになるリスクが高まります。椎間板ヘルニアはいつどのような原因で発症するか分かりません。
発症しないためにも腰に負担をかけすぎない事、喫煙を避けて適度な柔軟や運動を取り入れる、仕事などで同じ姿勢を続けてしまう場合は合間合間に少し身体を動かずなどの工夫をすることもオススメです。
もし、腰に痛みが出てしまった場合は自己判断での処置したり無理に動かず、痛みが強い場合は痛みが軽減する姿勢で休み、専門家に一度診てもらい最適な処置を行ってもらうようにしましょう。