腰痛分離症を経験した人の多くが口にする言葉があります。
「もっとちゃんと安静にしておけば良かった」という言葉です。
中~高校生時代に発症した腰痛分離症による腰の痛みや脚の痺れが、大人になってからも続いている人は少なくありません。
そんな人達からよく聞くこの言葉は、今の中~高校生や親御さんには是非聞いて頂きたい言葉です。
今回はそんな腰痛分離症と安静についてをご紹介。
腰痛分離症の安静期間や、安静時にやって良いこと&悪いことなどを分かりやすく解説していきます。
腰椎分離症とは?
腰椎分離症とは、腰椎の椎弓という部分のリング状になっている骨が分離してしまった状態をいいます。
中~高校生のスポーツ競技をされている人に多くみられる疾患。
一度の衝撃で腰椎分離症になってしまうケースは殆どなく、多くの場合はスポーツ競技などによる日々の負担により、腰椎が少しずつダメージを受け分離していくイメージ。
前兆段階において、殆どのケースで「腰椎疲労骨折」を発症しています。
腰痛分離症は疲労骨折が更に酷くなった状態という認識が分かりやすいでしょう。
腰椎分離症の安静期間はどの程度?
腰痛分離症の改善方法で一般的なものは「コルセット固定」です。
このコルセット固定をしている間は、原則として安静が必要となるためスポーツ競技などは原則禁止となります。
この安静期間は程度により異なるものの、約3~6ケ月程度と言われていますが、長い場合は1年程度になる場合もあります。
スポーツ競技の復帰時期は、骨癒合(骨がくっつく)の状態次第となるため、コルセット固定を怠ったり、自己判断でスポーツ競技に復帰したりすることで、更に競技復帰時期が遅れることもよくあることです。
安静中にやって良いこと&悪いこと
安静期間中といっても全く何もしないという訳ではありません。
腰痛分離症の安静期間中にやって良いこと&やって悪いことを把握して1日でも早い改善を目指しましょう。
安静中にやって良いこと
腰痛分離症の安静期間中にストレッチを行うことは「半分OK」で「半分NG」です。
まず、腰痛分離症の発症当初は原則として「お風呂以外」は常にコルセット固定を行うことになります。
スポーツ競技を行っている人は、身体をなまらせないようにストレッチは補助運動などを行おうとすることがありますが、自己判断のストレッチや運動は絶対に辞めてください。
もし、ストレッチや運動をしたいと思った場合は担当の先生に必ず相談するようにしましょう。
同じ腰椎分離症でも症状や経過には大きな個人差があります。
人によって身体を動かす開始時期には違いがでるため自己判断はしないことが大切です。
安静中にやって悪いこと
安静時にやって悪いことは先ほどと重複しますが、自己判断で行動を起こすこと。
特に腰椎分離症は、安静開始から約2~4週程度で症状がおさまることが多いです。
痛みや痺れがなくなると、人間心理としては「治った」という気持ちになってしまうため、勝手にコルセット固定を外したり、スポーツ競技に復帰したりしやすい状況になってしまいます。
しかし、あくまでも症状がおさまっているだけであって、腰椎分離症そのものが改善しているわけではありません。
腰椎分離症は初期段階でしっかりと治療を行わなければ、後から骨をくっつけることはかなり難しくなります。
また、腰椎分離症を放っておくことで、更に最悪な「分離すべり症」へと移行するリスクも高くなります。
まとめ
腰椎分離症の安静期間についてはご理解頂けましたか?
安静期間は、スポーツ競技をしている中~高校生にとっては苦痛の期間となることは間違いありません。
しかし、この安静期間の過ごし方次第で腰痛分離症が改善するかしないかが決まります。
しっかりと我慢して腰痛分離症を改善させましょう!