日本人の約4人に1人はある悩みを抱えているそうです。あなたはそれが何かご存知ですか?答えは「腰痛」。
現代病とも言える腰痛ですが、一言で腰痛と言っても原因や痛みの程度などは様々です。
今回はしびれを伴う腰痛にフォーカスをあてて、その原因や詳しい症状などを解説していき症状を改善するためにはどこに行けば良いのか?などに関して分かりやすくお伝えしていきます。
しびれを伴う腰痛を起こす疾患
腰椎椎間板ヘルニア
腰痛の中でも特に多いのがこの腰椎椎間板ヘルニアで、高齢者よりも20代から40代にかけて多く、また女性より男性の方が多い疾患と言われています。
脊椎とはいわゆる背骨のことですが、24個の椎骨と呼ばれる骨で構成されており、上から頚椎、胸椎、腰椎そして仙骨と尾骨へと続いています。
腰椎椎間板ヘルニアにより痛みが出る腰椎は5個の椎体で作られている部分です。
椎体と椎体の間には椎間板というものがあり、この椎間板が腰椎にかかる力を分散させるクッション的な役割を担っています。
椎間板はゼリー状の髄核と、髄核を取り囲む軟骨組織の線維輪との二重構造になっています。(卵でいう黄身の部分が髄核、白身の部分が線維輪とイメージしていただくと分かりやすい)
加齢や重たい物を持った時などにより髄核を取り囲む線維輪に小さな亀裂が入り、髄核の一部が外に飛び出してしまいます。
この押し出された髄核が周囲の神経を圧迫すると腰に痛みが生じるのです。
腰椎椎間板ヘルニアの場合、背中を伸ばしている時や寝ている時などは痛みが少し楽になる傾向がありますが、逆に背中を丸めたり、前屈みになったりすると周囲の神経が圧迫されるため痛みやしびれを感じやすくなるのが特徴となります。
腰椎分離・すべり症
この症状は体が柔らかい子どもにも起こることもあり、中でもスポーツ選手は一般の方と比べてこの分離症に該当する割合が約7倍と言われています。
先ほどご説明した通りいくつもの椎骨が積み木のように重なっている背骨ですが、椎骨は椎体とその椎体の後ろ側の椎弓(ついきゅう)と呼ばれる骨によって構成。
(背中側から背骨を触って頂くとわかるかと思いますが、ボコボコしている辺りが椎弓です)
その椎体と椎弓が分離してしまっている状態を分離症と呼び、分離している部分が腰椎だと腰椎分離症となります。
原因は様々ですが突発的に起こるものではなく、スポーツの練習などによって腰を捻る、反る動作を繰り返すことで分離症を引き起こしやすい。
腰椎分離症を放置すると安定性を失った腰椎が前にズレてしまう、つまり前に滑り出してしまうすべり症へと進行していくことがあります。
痛みは腰を後ろにそらせたり、捻ったりする時に強くなり、安静にしていると痛みを感じない場合もあります。
脊柱管狭搾症
脊柱管狭搾症(せきちゅうかんきょうさくしょう)は椎間板ヘルニアに比べ中高年に、女性よりも男性に発症することが多くなる傾向があります。
先程、背骨は椎骨が積み重なって構成されていて、その椎骨は椎体と椎弓に分けられます、と説明しました。
さらに詳しく説明していくと、椎体と椎弓の間には隙間があるので、背骨にはトンネルのように一本繋がった空洞があるということになります。
その空洞に神経が通っているのですが、加齢や日々の労働による骨の歪みや、背骨の病気による影響で変形した背骨などによりその神経の通り道が狭くなり圧迫されて痛みを生じます。
腰部脊柱管狭窄症では腰痛はあまり強くなく、安静にしている時にはほとんど症状がありません。
ですが背筋を伸ばして立つ、歩くなどをするとふとももや膝から下にしびれや痛みが生じ、距離を続けて歩くことが難しくなります。
少し前かがみになったり座ったりすると痛みが軽減されますが、進行すると尿漏れなどの原因にもなります。
原因を検査するにはどこに行けばいい?おすすめは整形外科
しびれを伴う腰痛を起こす疾患の中でも代表的な3つの疾患についてご紹介してきましたがもし腰に痛みを感じた場合、ご自身で疾患を特定し自己流で治療をすることは危険を伴う場合もあります。
腰痛でお悩みの場合はまず専門家の診察を受けることがお勧めです。
ただ専門家の診察といっても具体的にどこに行けばいいのかと悩む方もいらっしゃるかと思いますが、腰痛の原因を目視で判断するとこは極めて難しいので、レントゲン撮影やMRI検査などを行う必要があり、その設備が整っている整形外科などに行くのがお勧めです。
まとめ
腰痛でお悩みの方は多くいらっしゃいます。
ですが日々忙しく、なかなか病院に行く時間が取れなかったり、とりあえずの湿布や痛み止めなどでその場しのぎをしていても症状が改善されない場合もあります。
痛みが強く動くのが難しい場合は無理をせず安静を心がけ、用意が出来ればコルセットをつけるのも一つの手段です。慢性的な痛みならば腰を温めるのも良いでしょう。
痛みが強い場合には無理に腰回りを動かすことは危険が伴いますが、腰痛予防には日々の軽い運動やストレッチなども有効です。
立ち仕事や座り仕事、家事育児で腰に負担がかかりやすい場合は、腰を軽く反らせたり捻ったりすることで腰回りをほぐし柔軟性を高めることで腰痛リスクを軽減することができます。
腰痛の中には手術が必要なケースもあるので、腰痛で辛い時は自己判断せず、まずは専門家に一度診てもらうことをお勧めします。