出産をきっかけに腰の悩みが深くなってしまう方は非常に多いです。
場合によっては育児や家事の負担が蓄積し、歩くのが困難になってしまうほどの痛みに襲われてしまうこともあります。
腰痛は早期に対処しないと慢性化してしまい、日常生活に大きな支障をきたしてしまうことも。
そこでこの記事では、歩けないほどつらく苦しい腰痛に悩むママさんのために原因と対策を詳しく解説していきます。
できるだけ早く普段の日常を取り戻したいママさんはぜひご覧ください。
産後の歩行を困難にするほどの腰痛の原因
歩けないほどの腰痛を発症させてしまう原因は以下の3つが代表的です。
- 骨盤へのダメージ
- 育児疲れや睡眠不足
- 栄養失調
これらはどれも可能性としてあり得るのでじっくりと読み、どれに当てはまっているかを確認してみましょう。
骨盤へのダメージ
赤ちゃんを出産するためには骨盤が通常よりも開く必要があります。
普段の骨盤が強固な靭帯によってほんの数mmしか動くことはありませんが、出産のときはホルモンの影響で最大10cm程度ひらくようになると言われているのです。
しかし、ホルモンの影響で骨盤を開くようになったといっても、出産は体に大きなダメージを残してしまいます。
場合によっては分娩時に骨盤底筋群を傷つけてしまい、産後に強い痛みを伴うだけでなく尿漏れを引き起こすこともあるほどです。
出産時に受けた骨盤へのダメージは数カ月かけて少しずつ回復してくるのですが、ママさんは家事や育児に追われてしまうので数カ月ゆっくり回復できる環境を作ることは困難です。
その状態で骨盤への負担が蓄積してしまうと腰痛を発症してしまう可能性があります。
もともと腰痛持ちだったり、普段から体に痛みが出やすい方はなおのこと。
ダメージがあまりにも大きいと歩けないほどの腰痛になってしまうこともあるのですね。
育児疲れや睡眠不足
骨盤へのダメージとも関連がありますが、育児がはじまると今までの生活リズムからは大きく変化します。
連続して睡眠が取れなかったり、自分の時間を全くとれず精神的な疲労も蓄積してしまうでしょう。
その結果、疲労が蓄積した筋肉に限界がきて腰痛が発症してしまうことがあるのです。
栄養失調
実は最近になり、産後のママさんの不調は栄養と大きく関係があるのではないかと言われるようになってきています。
なぜなら、ママさんは赤ちゃんがお腹の中にいるときから摂取した大部分の栄養素を渡しているため慢性的な栄養不足になっている可能性があるからです。
実際に婦人科の医師がデータを採取し、産後と産前のママさんの血液データを比較してみると栄養が足りないデータが出ているといいます。
一部書籍にもなっているほどです。
具体的にはタンパク質や鉄分の値(フェリチン)が低下しており、これがひどい腰痛や産後うつと深く関係しているのではないかと言われています。
そのため、出産後は体調を戻すためにタンパク質を中心に食事をとり一刻も早く栄養素を満たさないといけません。
婦人科系の疾患でも腰痛になることがある
これまで紹介した原因以外にも実は婦人科系の疾患で腰痛になってしまうことがあります。
例えば子宮筋腫や子宮内膜症などが代表的です。
子宮筋腫とは、子宮にこぶのよう良性腫瘍ができてしまう疾患のこと。珍しい疾患ではなく30~40代の女性によく見られます。
一方で子宮内膜症は、本来子宮の内側でできるはずの子宮内膜が子宮以外の場所にできてしまう疾患のこと。
どちらに関しても命に関わるような重大な疾患ではありません。しかし、生理時の出血が多くなったり、PMSがひどくなったりなど体への負担が大きい場合もありますよ。
そのため腰痛に伴って、生理の異常などがみられたら一度婦人科で検査することをおすすめします。
腰の痛みを軽減するための対策
産後の腰の痛みには休息が必要不可欠です。出産で体はダメージを受けているので、無理のし過ぎは禁物です。
しかし、実際にはゆっくり時間をとって休むことは難しいですよね。
そこで当院でおすすめしているのは
- 骨盤コルセットを使用する
- 寝具を変えてみる
- タンパク質をしっかりとる
の3つです。
どれもわざわざ時間を作ってケアする方法ではないので、忙しいママさんでも実行できる可能性が高いと思います。
短期間のうちに劇的に腰痛が良くなるわけではありませんが、継続は力なりでぜひやってみてください。
まとめ
産後の歩けないほどの腰痛は日常生活に著しく支障を与えます。そのため、この記事に書いてあるセルフケアを実践してみましょう。
しかし、それでも症状が取れない場合は専門家に相談してみるのもおすすめです。
当院では産後に特化した治療を行っていますので、ぜひご相談ください。