坐骨神経痛の原因は加齢や無理な姿勢などさまざまありますが、肥満も要因のひとつだと言われます。
「肥満によって椎間板が押しつぶされて腰痛に繋がる」「肥満による反り腰が腰部脊柱管狭窄症に繋がる」などと指摘されています。
坐骨神経痛になってしまうと「歩くのもツライ」など、日常生活に支障が出てしまうケースも少なくありません。
肥満と坐骨神経痛の関係を知り、体重を落として腰痛を予防しましょう。
坐骨神経痛の初期症状
坐骨神経痛は、お尻から足まで続く坐骨神経が圧迫・刺激されて起こる痛みやしびれといった症状の総称です。
坐骨神経痛では、主におしりから足にかけての痛み・しびれが症状として出ます。片足に症状が出ることが多いですが、両足に出る人もいます。
痛みやしびれの感じ方は人によりさまざまで「ビリビリ」「チクチク」「ズキズキ」などと表現されます。
また坐骨神経痛が長引くと「長い時間立つことがツライ」「座っていても痛い」「歩くと痛い」など、日常生活に支障が出るように。
坐骨神経痛が起きる原因として多いのは「腰部脊柱管狭窄症」や「腰椎椎間板ヘルニア」などの「腰椎疾患」と呼ばれる病気です。
また怪我やスポーツなどがきっかけで起こる「梨状筋症候群」のほか、「背骨や骨盤のがん」が原因で坐骨神経痛が起きることもあります。
肥満は坐骨神経痛の原因のひとつ
坐骨神経痛の原因は、加齢や無理な姿勢などさまざまです。肥満も坐骨神経痛を引き起こす要因のひとつだとされています。
体重が増えると立った時にお腹が前に出るため、バランスをとるために反り腰になってしまいます。反り腰になると梨状筋が引き伸ばされて坐骨神経が圧迫され、坐骨神経痛が起こります。
また反り腰が「腰部脊柱管狭窄症」につながることも知られています。「腰部脊柱管狭窄症」はさきほども紹介したとおり、坐骨神経痛が起こる疾患のひとつです。
「肥満の人は椎間板が押しつぶされやすい」という研究結果もあります。椎間板の異常が「椎間板ヘルニア」に繋がり、症状として坐骨神経痛がでてくることも。
もちろん肥満の人全員が坐骨神経痛に悩むわけでありませんが、肥満がリスクを高めることは間違いないといえるでしょう。
肥満・腰痛解消には食生活の見直しと適度な運動
肥満傾向で腰痛に悩んでいる人は、体重を落とすことからはじめましょう。整形外科の外来では「減量指導だけで腰痛が改善され、腰椎椎間板ヘルニアの手術をせずに済んだ」という事例もあるからです。
健康的に適正体重まで落としていくには「食生活の改善」と「適度な運動」が大切。
まず食生活の改善については、食事のバランスを大切にすることが大前提。そのうえで、炭水化物中心の食事をしている人は、たんぱく質中心の食生活に切り替えてみましょう。
体重が落ちて肥満が解消されるだけではなく、筋肉や骨が強くなるので、腰痛の改善につながります。
運動については、激しいトレーニングは腰痛を悪化させる可能性があります。ストレッチや体幹トレーニング(プランクやバックブリッジ)・ウォーキングなど、無理なく始めやすいものから取り組んでみましょう。
まとめ
肥満も坐骨神経痛の原因になりえます。
体重によって腰に負担がかかったり、肥満による姿勢の変化(反り腰)によって腰部脊柱管狭窄症になったりするためです。「肥満だと椎間板が押しつぶされる」という報告もあります。
肥満による坐骨神経痛を防ぐためには、食生活の改善や適度なトレーニングによって、適正体重を維持することが大切です。
ただ「これは肥満で腰痛が出ているんだな」と自己判断するのは危険。坐骨神経痛はがんなどの内臓疾患によって起こることもあり得るので、まずは整形外科などで腰痛の原因を調べもらいましょう。